第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
そんなふうに、真剣な話や昔話をしている間。ボックス席では、彼らが私達の方を気にしていたらしい。
最初に三月が口を開く。
「あの2人、なんか大人の男って感じだよな。なんつーか落ち着いた背中とか!」
「まぁ、実際ボク達よりも年上だからね」
「それもそうか。どんな話してんでしょうね、十さん」
「さ、さぁ。でも高校の時からの知り合いだから、多分その頃の話…とかじゃないかな」
そうらしいですね!と答える三月。その時 楽が、自分のグラスを持って立ち上がる。
「ん?どうした?八乙女」
「悪い。ちょっと、俺もあっち行ってくる」
そんな楽の背中を見送りながら、大和は龍之介に問い掛ける。
「いいんすかー?十さん。八乙女の奴、行っちゃいましたけど」
「…凄いよね。楽の、ああいう思い立ったらすぐ行動出来るところ」
「はは。それは、良く言い過ぎじゃないですか?」
「二階堂大和の言う通り。空気読まずに、直感で動いてるだけじゃない?」
「そ、そうかな!?
でも、それでもやっぱり凄いよ。俺は…あの場に割って入っていくなんて、怖くて出来ないから」
しん と静かになってしまう3人。そんな中、壮五と三月が首を傾げる。
「あっち行けたら、凄いの?ふふっ、じゃあ僕も行ってくる〜」
「壮五!待て!壮五は、オレとこっちでジャンケンでもして待ってような?な!」
「わーぃ!ジャンケンする!」