第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
さくっと覚悟を決めて、早速それを披露する。僅かに顔を傾けて、薄く口を開き、そして瞳も少しだけ開けておく。
その状態でしばらく待ってみるも、誰も何も言ってくれない。仕方がないので、私はキス顔を解除した。
「うふふ、はぁさんのおかお、おもしろいね」
「あれ…おかしいなぁ。なんかお兄さん、思ったよりトキめけない」ってか変な顔だった
「えーと。なぁ春人?何で、ちょっとだけ半目なわけ?」
『目を瞑ったふりをして、相手の顔を盗み見てるんです。だって普通、見たいでしょう?好きな人のキス顔』
「春人くん。帰ったらちょっと、話をしようか」
それを聞いた龍之介は、真顔で言った。
あぁ、つい本当のことを話してしまった。もしかすると、今後は警戒されてしまうかもしれない。
「…少し口が開いてたの、妙にリアルじゃなかった?」
「言うな天。龍と春人の…そういうシーン、想像しちまう」
天と楽は、密かにテンションを下げていた。