第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
「ところで、二階堂大和」
「え、な、なんでしょう…。直接指名は駄目だからな!?ちゃんと番号で選べよ?そういうゲームなんだから」
「それくらい分かってる。キミのお勧めが聞きたいだけ。何番の人のキス顔が見たい?」
「なっ、なんで俺に振るのかなあ〜…。まぁ、強いて言われれば…5番」
「そう。じゃあ、5番で」
私は、思わず立ち上がってしまう。すると手元から、持っていた割り箸が床に転げ落ちた。全員の視線が、それへと注がれる。そこにあった番号は勿論、5であった。
「わぁぁ〜!またはぁさんが恥ずかしいことするの?つよーい」
『逢坂さん。これ以上私のメンタル削られるようなこと言わないでもらえます?』強くはないし
「いや、それにしてもお前…さすがに、3回連続は運なさすぎだろ。呪われてんじゃねえか?」
『割り箸に?』
楽はこちらに同情の目を向けた。だが私はもう既に、愛してるゲームで一度敗走せしめている。となれば、もう逃げられないのだから諦めた方が早い。私はさっさと、皆に顔が見えるように体の方向を変えた。
すると、背中側になった万理が立ち上がる気配がした。
『万理はそこに居てください』
「バレたか」
『だいたい王様ゲームに参加もしていないのに、どうして恩恵だけ享受しようと思えるのか謎です』
「相変わらずルールとかそういうのに細かいな」この真面目ちゃんめ
万理はしぶしぶ、再び席に着いた。
私は恥を披露する前に、天に問う。
『ところでキス顔とは、本気の奴ですか?それとも、一般的なサービスショット的なの求めてます?』
「何それ、選べるの?」
『それはまあ。王様ですから』
「ふふ。じゃあ、せっかくだから本気でリアルな奴で」
『かしこまりました』