第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
「なあミツ。うちってさぁ、ロン毛担当居ないでしょ?この際、俺がなっちゃおっかな」
「どの際だよ!なっちゃおっかな。じゃねえよ!そんな急激な路線変更、大和担全員あんたのこと心配になってハゲるわ!」
「えー??IDOLiSH7にはぁ、ちゃぁんと長い髪の人いるよ?ほら、あそこに〜」
「壮五?事務員さんの方をメンバーにしちまうのはやめような?それに、それじゃIDOLiSH8になっちまうだろ?」
大和は、私の長髪好き発言をゴリゴリにイジってきた。三月が華麗に突っ込んでくれたので、私の出る幕はない。
それにしても、壮五はベロベロだ。以前 彼と酒を酌み交わす機会があったが、ここまでの状態にはならなかった。マックスまで酒に飲まれた壮五が、よもやこんなことになろうとは予想外である。
そんな中、龍之介がぽつり呟いた。
「TRIGGERにも…長髪担当いない、よね」
「「必要ない」」
「だ、だよな…!」
あえなく、天と楽にバッサリと言われてしまった。誰かさんと違って龍之介は、私をイジってやろうとする気など全くないのだ。ただ、私が放った迂闊な一言を気にしているだけ。どうしてあんな馬鹿な発言をしてしまったのだろう。
もしかすると私も、壮五ほどではないが意外と酒が回っているのだろうか。そう思い、そっと自分の頬の熱を確かめた。
そして、そのまま次のターンに移行する。
次に栄えあるキングに選ばれたのは天である。彼が持てば、ただの割り箸も輝く黄金に見えるのだから不思議だ。
そんな高貴な雰囲気を纏う彼だが、意外な命令を口にする。
「せっかくだから、このゲームの趣旨に則ったお題にしてみようかな。
皆んなの前で、キス顔を披露する。なんてどう?」
皆んなはこのベタな命令に、喜んだり大笑いしたり、驚いたり引いていたりした。