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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ




大和がなんとか平静を取り戻したところで、2回目の王様ゲームに移る。
当たりを引いたのは三月であった。


「お!オレかぁ。んー、じゃあどうすっかなぁ。
やっぱここはベタに、好きなタイプ暴露するとか?」

「さっすがミツ!分かってるー。指名はどうすんの?お兄さんは、3番辺りがお勧めかな。活きが良いの入ってるよー」

「なんだその魚屋みたいな勧め方!まぁいいけど。じゃあ、鮮度抜群の3番下さい!」

『……ピチピチ』


2回連続で外れを引かされれば、もうまな板の上の鯉にでもなる他ない。


「春人くん凄い!また当たりだ!」

『いやハズレでは?』

「で?お前さんの好みってやつ、早く教えてちょーだいよ」

『腹の立つ顔ですね。うーん…好み、タイプ…』


私は、うんうんと答えに悩む。目の前に彼氏がいう中で、タイプを発表するというのはなかなかに複雑だ。さてどうしたものか と考えあぐねる私に、三月が無邪気に言う。


「春人、こういうのはあんまし深く考えずに言っちまった方がいいぜ!あ、これ王様命令だから。はい 3!2!1!」

『え!?カウントダウンは聞いてませ、えっと、じゃあ長髪!』


人間、焦って切羽詰まった時こそ、本音が飛び出すもの。自分で自分の答えに驚いて、口を手で覆う。
皆んなはゆっくりと、カウンターで一人酒をしている万理を見た。


「…え。俺?はは、照れるな」


ノリノリの万理が、はにかみ言った。すると今度は、皆んなの顔が私の方へ向けられる。


『いや、ちが…そうじゃなくて!万理の事とかではなくて!あ、そうほら。例えば、千さんみたいな!』


もう、ドツボだった。なぜ私は、千の顔面が好みであることを暴露してしまっているのだろう。


「なるほど。春人は、千さんみたいな美人系がタイプ。と」

『違うんです。誤解です三月さん。実は今のは全部嘘で、私の好みは筋肉です』

「あからさまに彼氏に気を使ってんなあ!……彼氏か彼女か分かんねえけど!
とにかく、十さんと付き合ってるのは体が目当てってこと?」

「えっ!?」

『失敬な。顔も好きです』

「春人くん、中身は!?」体と顔だけ!?


龍之介は、慌ててそう確認した。

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