第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
トロンとした瞳で、壮五が うーん、えーと、と何やら考え込んでいる。やがて、あ!と元気な声を発した。
「もしかしてぇ、はぁさん達は〜…らぶらぶ?」
『ふふ。そう、ラブラブですよ』
「わぁーい!らぶらぶー!」
何が嬉しいのか、壮五は両手を上げて喜んだ。その隣で三月は、えぇーー!?と絶叫する。そして、大声を上げたのは龍之介も同じだ。三月に負けないくらいに驚いている。
「な、な、何で、言っ」
『言っては駄目でした?』
「いや、駄目…じゃないけど!」
「はぁ。プロデューサーって、たまに突拍子も無い言動するよね」
「まぁべつに、コイツらに話したところで外部に漏れることはないだろうけどさ。タイミングってもんがあんだろ」
「はいはい。ラブラブで良かったですねー」
「ちょ、その反応!おっさんも知ってたのかよ!え!?知らないオレと壮五の方が少数派!?」
ははは!と、万理は堪え切れずに笑い声を上げる。三月はその声に弾かれるように振り向いた。
「まさかの万理さんまでそっち派ですか!?」
「はは、あー…ごめん。つい、我慢出来なくて笑っちゃった。どうぞ続けて続けて」
万理は満面の笑みで、そう促した。
誰が得をするのか分からないこのゲームは、どうやらまだ続くらしい。
「お。今度はオレか。じゃあ相手は…3番で!」
「俺だな」
三月が赤を引き、指名されたのは楽。
「おし!いくぞ〜…
八乙女、愛してる!!」
「あぁ。俺も愛してる」
「ごめんなさい!」
「ノータイムで振るなよ!!」
「いやノータイムでその返しされたらびっくりしてそうなるだろうが!」
「ならねぇだろ!」
大和は腹を抱えて笑っている。私を含め他のメンバーも、大和に負けないくらい大きな声で笑った。