第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
赤い割り箸を引き当てた人間が、愛してると言わなければいけないらしい。同時に、1から6の数字から好きな物を選ぶ。その選ばれた数字の割り箸を持っていた者が、愛してると言われるとのこと。
早速、全員が大和の手から割り箸を引く。
「はい王様だーれだ!」
「ってぇ!王様って言っちゃってんじゃねえか!」
「あ、ほんとだ。いや、やっぱつい出ちゃうよねー。んなことよりほら、当たり引いたの誰」
大和と三月がそんなやり取りをする隣で、赤い割り箸をじぃっと見つめる壮五。2人は、ゲ…と顔を見合わせた。
TRIGGERの面々は、何も知らずにゲームを進めようとする。
「当たりは壮五くんだね!」
「逢坂、何番にするんだ?」
「ん〜…??」
「は?いやだから、言う相手を決めるんだろ」
「ちょっと、なんだか様子がおかしいけど大丈夫?」
ぽやぽや顔の壮五の肩を、大和が叩く。
「ほーらソウ?お兄さんに、好きな数字を1つ教えてみ?1から6の中で選ぶんだぞー?」
「好きな数字…? じゃあ〜…4番!」
「はい決定!4番の人手ぇ上げて!」
三月に促され、手を上げたのは天だ。私はそっと席を立つ。
「ちょっと。どうして場所を空けようとするの」
『いえ、逢坂さんも どうせ愛を囁くなら近くからの方が良いかと思いまして』
「ただ愛してるって口に出せば良いだけなんだから、わざわざ近くにいる必要ないでしょ」
「おい天。その台詞だけ聞くと、お前すげぇ残念な男だぞ」
「あぁ…天!そんな寂しい考え方をする子になってしまって…!」
TRIGGERの3人が、楽しそうで何よりである。