第100章 お前、龍のこと好き過ぎだろ
私達は、それぞれ飲み物を手にする。運転手の万理と未成年の天以外は、全員アルコールだった。
カンパーイ!という、力強い掛け声で飲み会はついにスタートする。
「っ あーー!うまぁー!マジでこれが生(せい)を実感出来る瞬間だわ」
「ほんっとオッサンな!もうオッサンの中のオッサン!よっ!キングオブオッサン!」
大和にそう言う三月も、一息にジョッキの半分を行っている。壮五はそんな2人の隣で、にこにこ上品にグラスを傾けていた。
こんなふうに、リラックスした時間を過ごすのはいつぶりだろう。最近は色々なことが津波のように押し寄せて来て、ゆっくり休む時間などなかった。龍之介とのコミュニケーションも、絶対的に足りていない。
そんな時、まさにその龍之介が口を開いた。
「そういえば、他のメンバーは仕事だった?7人揃ったIDOLiSH7に会えると思ってたんだけどなあ」
「あー、今日のところは大人組だけってことで…まぁ、その…端的に言うと内緒にして、俺らだけ来ちゃいました」
「絶対にバレないようにしないとな…後が怖い」
「特に環くんには、秘密厳守を徹底しましょう」
大和、三月、壮五は、他のメンバーにバレた時のことを想像したのか、身震いした。
「なんだよ。スケジュール空いてたなら全員で来てくれりゃ良かったのに。
大体、大人だなんだ言うんだったら、コイツだって未成年だろ」
楽は、隣に座る天を見て告げた。
「ボクは確かに未成年だけど、精神年齢で言えば27くらいでしょ。だから、この中で年長者ってことになるんじゃない?」
薄く笑って言った天に、いやならねぇだろ!と楽は突っ込む。そんな2人を見て、全員が声を上げ笑った。