第13章 プロデューサーさんまでカッコ良いんですね…
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「…タマ?珍しいな。おまえが携帯をそんなふうに じーっと見てるなんて」
「ヤマさん…。んー…連絡がね、来ねーの」
「…はっはーん。…いや良いねぇ青春。お兄さん羨ましいわ」
「19時半に来るって言ったのに…」
「まぁまぁ。いいかタマ。女ってのは遅れて来るもんだ。そういう時も、笑って許してやるんだぞ」
「…おぉっ!さすがヤマさん!分かった。
俺待つ。こんくらい よゆーだし」
「いや、っていうか 全然否定しないのな。ちょっとからかっただけのつもりだったんだが…。冗談抜きで、こんな時間からどこ行こうっての?」
「……でぇと」
「マジか!」
「あ!!連絡来た!
はい!!もしもし!?…うん!そう!……え、あー、ごめん…。
ん!大丈夫ー、じゃ今から降りんねー。
じゃ!ヤマさん!俺行ってくる」
「はいはい。気を付けてな。
……おーおー嬉しそうに走っちゃってまぁ…。どれ、じゃあちょっと噂の彼女でも見てみましょうかね…。ここからならバッチリ見えるでしょ。
………って、男じゃねぇか!え?俺タマに一杯食わされたの!?それはちとショック…
ぁ、ヤバ。目合っちゃったか、今」
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まずい。約束の時間にもう30分近くも遅れてしまっている。思いの外仕事が食い込んでしまった。
しかし、もうすぐに目的の場所に到着する。
私は小鳥遊事寮に着くなり、すぐに履歴から電話をかける。
『……もしもし』
《はい!!もしもし!?》
携帯を手に持っていたのだろうか?環はすぐに応答してくれた。
『四葉さんですか?』
《うん!そう!》
先程から…とにかく声がでかい!
『あの、少し声が大きいです』耳が痛い
《え、あー、ごめん…》
『いえ。大丈夫です。それより、遅れてすみません。降りて来られますか?』
《ん!大丈夫ー、じゃ今から降りんねー。
じゃ!ヤマさん!俺行ってくる》
と、ここでブツっと電話は切れた。