第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい
「あれあれー?皆んなお揃いだねえ。酷いじゃないか!僕だけ仲間外れにするなんて!まぁいいや。ねぇ、暇だからUNOでもしない?あ、トランプでもいいよ?僕、こう見えて七並べで負けたことって一度もないんだ!」
「う…了さんと七並べ、絶対やりたくない…」
同感である。なんて、頷いている場合ではない。
嬉々としてカードを切る了。やはりここは、私から話をするきっかけを切り出すべきだろうか。そう考えたのも束の間、リーダーが恐る恐る歩み彼へと寄る。
「了さん…話がある」
「んん?神経衰弱の方が良かった?」
「いや、俺達はあんたとゲームをするつもりは」
「ゲームだよ」
冷たく言い放った了。淀みなく動いていた手が止まると、空間の時もヒヤリと止まる。
「最近、君たちは何か勘違いをしているようだからね。ゲームマスターであるこの僕が改めて、ルールのおさらいをしてあげよう。
いいか?君らが立っているのは、盤上だ。お前達や勘違いアイドルは駒。そして。ゲームの行き着く先は、既に決まっている。
こんな当たり前のことをさぁ、わざわざ確認させないでくれる?イラつくんだよ」
「でも、俺達はっ!」
「駒が勝手に、盤上で動くなって言ってるんだ」
駒と称された4人は苦々しげに、その罵倒を飲み込んでいた。そして次に、了は言葉の刃をこちらに向ける。
「あと、駒を動かすのは僕だ。他の人間が、勝手に操ってくれるなよ」
『……』
了によってばら撒かれたトランプが高く上がって、やがてひらひらと舞い落ちる。53枚全てが地に落ちてから、私は口を開く。
『トウマ』
「!!お、おう」
『彼に伝えるべきことを』
トウマは目を大きく見開くだけだったが その顔は、え?今このタイミングで?と訴えていた。
一瞬遅れて、虎於が私の腕を引き耳打ちする。
「今の了さん、ヤバイぞ。機会を改めた方が」
『いえ。どんなタイミングでも、そう変わりませんよ。むしろ、ずるずると先延ばしにすれば、良い結果は遠ざかる。
それにね…。ここだけの話、私も七並べで負けたことないんです』
性格の悪さなら、了にだって負けはしない。どんな道筋を通しても、最終 ゲームに勝つのは私達だ。