第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい
再びトウマが話し始める。
「それと、あんたに伝えておきたい話がある」
『何でしょう』
「了さんの、思惑だ」
『ちょっと、待ってください。その話って、ここでしても良い奴ですか?』
ここは、了が用意した部屋だ。だからこそ、私はずっと とある懸念を抱えながらこの場所で仕事をして来た。
しかし虎於から、その懸念が払拭される告白が飛び出す。
「もし盗聴器の類が仕掛けられてるって心配をしてるなら、その可能性はゼロだ」
「と、盗聴器!?それはさすがに…!あぁでも、了さんならそれもあり得るかも?」
「いや。ない」
『根拠は?』
「ここにあんたを招き入れる前、俺は了さんに提案した。どうせなら、盗聴器でも仕掛けたらどうだってな」
『聞き捨てならない事をサラッと言いますね』
「そしたら了さんは、それをきっぱり断ったんだ。もし調べられでもして、ブツが出て来たら完全にアウトだからってな。盗聴は犯罪だから、証拠が出た時点で仕掛けた方の不利が確定する。
ってのが、あっちの世界の常識らしい」
『あっちの世界って…どっちの世界ですか。恐ろしい』
とりあえず、この部屋は安全らしかった。それが分かったから、私は話の続きを促す意味でトウマに視線をやった。
「続けるぜ。
あんたは知らないと思うが、了さんの中で俺達ŹOOĻは…3年って決められた期間でしか生きられない、使い捨てのアイドルなんだ」