第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい
翌朝。私の仕事部屋に、彼らは揃って現れた。その表情は、こちらが想像していたより何倍も照れ臭そうである。
「〜〜っこれ…思ってたのの何倍も恥ずかしいんだけど!!」
「同感です。昨晩の私達のテンション…。なんでしょう?ライブハイ、とでも言うのでしょうか」
「そうか?俺は全っ然平気だけどな!」
「トウマ。お前すごいな」
つい、頬が緩みそうになる。特段、中身のある会話ではないのだが。昨夜の過程を経た今となっては、彼らの中に見えない絆のようなものを感じたから。
上がりそうになる口角を意識的に引き下げて、私はデスクの前に並んだ彼らに問う。
『それで、皆さん揃っていらっしゃった理由は何ですか?』
「作戦会議だ」
トウマが間髪を入れずに答えた。
これから、ŹOOĻがŹOOĻらしく活動していく為に必要なこと。付けなくてはいけないケジメ。それらを話し合い、明確なものにする為ここへ足を運んだと言う。
「そういうこと。昨日、決めたでしょ?これからは、虎於と巳波も歌うって。それを、了さんに言わなくちゃ。
……お、怒るかな。了さん」
「そりゃお前…めちゃくちゃ怒るだろうなぁ。
でもその前に、俺達にはまずやらなけりゃいけないことがある」
再びトウマが言うと、他のメンバーも頷いた。どうやら、その内容は彼らが共通で認識しているらしい。
まず、やらなければいけないこと。私だけが分からなくて、首を傾げる。
「TRIGGERに、謝らないとな。
あいつらの大切なライブを、ぶち壊しちまったこと。アンコールって大切な奴を、奪っちまったことを」