第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい
「ちょっと!普通そんな大事な話、オレ抜きでやる!?信じらんない!!」
3人は、急に近くから叫ばれて肩を跳ねさせた。
びっくりした。帰ったんじゃなかったのか。等の台詞を聞き流して、悠はトウマの正面で仁王立ちする。
「トウマ」
「お、おう!」
「オレも、目指したい。TRIGGERを超える、アイドルってやつ」
「ハ…ハル!!」
「確かに最初は、了さんの話に乗って、使い捨てアイドルでもいいやって思った。でもオレ…いつの間にか、す…好きになってたみたい。
トウマと、巳波と、虎於がいるŹOOĻが。アイドルが。
もうここが、オレの居場所になってたんだ。だからここで、もっと歌ってたい。踊ってたいよ。
それだけじゃ…ダメかな。3年後も、5年後も、10年後も、もっと先も、ŹOOĻでいたいって願う理由」
トウマは目を潤ませて、悠の言葉を最後まで聞き届けた。そして、感極まった様子で両腕をガバっと広げる。
しかし、そういうのはいいから!と、悠に突き放されてしまった。なおもトウマに距離を詰められる中で、彼は虎於と巳波に問い掛ける。
「ちょっと!最年少がここまで言ってるんだけど!?そっちからは何もないわけ?
…大人って、ほんと面倒臭いよね。下らないプライドとか、交わしちゃった契約とかに囚われてさ、自分がいま感じてることも言えないんだから」
「…ん?待てよ、ハル。
じゃあ、1番最初に自分のやりたいことをベラベラ喋っちまった俺は?まさか、子供枠じゃねぇよな」
「ト、トウマは…ほら、何て言うか…
お、大人少年枠だから!!」
「そんな枠ねぇだろ!!なんだその中途半端な枠は!」