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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい




やがて、渦のような声に応えるようにTRIGGERはステージに再臨した。会場は、割れんばかりの拍手や喝采で満ち満ちる。間違い無く、今日1番の盛り上がりを見せていた。
マイクを手にした3人の、真ん中に立つ天が、洗礼された笑顔で語り始める。


《 アンコールありがとう!皆んながTRIGGERを呼ぶ声、ちゃんと聞こえたよ。ボク達も、まだ皆んなと一緒に楽しみたいからすごく嬉しい!》


そして楽と龍之介が客席に向かって手を振れば、会場はまた割れんばかりの歓声に包まれる。
天が、再びマイクを通して声を届ける。


《 じゃあ、もう一度聞かせて。ボク達とのこの最高の夜を、まだ終わらせたくない? 》


ピンクのペンライトが、あちこちで揺れる。
終わらせたくなーい!アンコール!まだまだ終わらせないでー!そんな声が、会場全体を揺らした。
しかし…やはりŹOOĻだけは、一声も上げられていなかった。すると、今度は龍之介がマイクを口元へ持っていく。


《 まだまだ!聞こえないよ!何も、難しいことは考えないで。ただ、俺達の歌がまだ聴きたいって。一緒に楽しんでいたいってそう思ってくれるなら、俺達を呼んで。叫んで!声を聞かせて!》


それは、確かにŹOOĻへ向けられたメッセージだった。トウマは、声を詰まらせながら言う。


「な、んで…あんなことが、言えちまうんだろうな。俺達は…あいつらに、あんなこと仕出かしたのに…っ」

『…彼らは、貴方達の返事を待ってますよ。権利がないとか、言うべきじゃないとか、今は置いておいて。
皆さんはTRIGGERとのこの時間を、このまま終わらせても良いんですか?』


その時。悠が手摺から身を乗り出し、そして叫んだ。


「っ、TRIGGERー!もっと!もっと歌って!!オレ達は、もっと!TRIGGERのステージを観ていたい!!」

「…ハル…っ」


悠のそれを皮切りに、虎於と巳波もアンコールに乗じる。私は、震えるトウマの背中に手を添えた。


「…っ、ア…アンコールだ!!TRIGGERー!俺達にもっと、あんたらの歌を聴かせてくれ!」


ステージの上の楽が、微笑んだ。
右手にマイクを持ち、左手を胸に当てる。


《 お前らの願いが、ここにガンガン響いてくる。いいぜ…!この場にいる一人残らず全員に、夢の続きを見せてやる! 》

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