第99章 間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい
『了が怖い?』
「…こ、怖い」
『了に意見するの怖い?』
「怖いな。でも…」
トウマは、膝の上に置いた拳を固く握った。そして、腹に力を込めたような強い声で告げる。
「言わなくちゃ、いけないとは思ってる。
了さん、そのやり方はやっぱり違う。俺達は間違ってたんだ、って。
あんたが俺に言ってくれたみたいに、俺も…間違ってると思ったことは、間違ってるだろってそう言いたい。
それが…なんつーか…仲間、だと思うから」
怖い存在であると同時に、トウマにとって了はやはり仲間なのだ。自身の考えが変わったからと言って、手の平を返し 切り捨てることをしない。そんな人情味あふれる彼だからこそ、私も力になりたいと心から思えるのだ。
そっと、握られた拳に手を載せる。
『私も、いますから。1人では怖くて立ち向かえなくても、私も手伝います。だから一緒に、言ってやりましょうよ。
貴方のやり方は歪みまくってて引いちゃうんだよ、このサイコパス野郎。って』
「!!
はは!そりゃ、言い方がマズ過ぎるだろ!俺達、殺されかねねぇぞ!」
『そうですか?』
「そうだよ!あぁでも、…ありがとうな。春人」