第13章 プロデューサーさんまでカッコ良いんですね…
私は、心の底からの言葉を。笑顔で環と壮五へ送る。
『…早く、7人全員で。IDOLiSH7としてメジャーデビュー出来れば良いですね』
「っ!中崎さんっ…、はい!ありがとうございま」
「あーーーー!」
環の大きすぎる叫び声に、楽屋にいる全員の肩が跳ねる。
『ど、どうしたんで』
「やっぱ気のせいじゃないじゃん!やっぱそうだ、うわ、笑った顔見て思い出したー超久しぶり、元気してた?やっべー…。俺、めちゃくちゃ会いたかった!!」
……ヤバイ。
「た、環くん?中崎さんと知り合い、なの?」
「うん。めちゃくちゃ知り合い」
これはヤバイ。
「ちょっと。いきなりうちのプロデューサーをナンパしないでくれる?」
「は?ナンパじゃねーし」
彼のこの感じ…
「んな格好してるから、すぐに分からなかったじゃん」
確実にLioだった時の私を知っている!!
私の狼狽を他所に、環はどんどん核心を突くような言葉を放ってくる。
「ってかさ、もう歌はうたってな」
ガッ と、私はついに環の口を塞ぐ。ついつい反射的に腕が伸びてしまったのだ。
「ん、んーっ?!」
「お、お前、他所んところのアイドルの顔面そんな乱暴に触っ」
『え?何ですか?はぁそうですか、どうしても今すぐにトイレに行きたいと。分かりました、私も実はもう膀胱が破裂寸前なのでお伴しましょう。さぁ行きましょう、すぐに行きましょう』
私は環の口を塞ぎながら、長身の彼の肩を強引に取り。廊下へと誘った。
「………あ、じゃあ僕もこれで…!失礼しました!」
「……なんだ、あいつら」
「春人くん…どうしてトイレずっと我慢してたんだろう。膀胱炎になってしまう」
「龍、キミは本当に天然だよね」