第98章 気付かないふりをするのがマナーでは?
おまけ①
●7人が揃った、アイナナ寮
万理「帰国して間もないのに、ごめんね。今、少しいいかな」
大和「あぁ、大丈夫っすよ。なんかありました?」
万理「これ。どうしてもすぐ渡したくて。ナギくん宛にね、これが事務所に届いたんだ」
三月「ナギに?これ…春人からだ」
環「何?封筒?」
一織「六弥さん。良ければ、代わりに私が開けましょうか?」
ナギ「…いえ。ワタシが、開けます」
壮五「何か、書いてある。これは…ノースメイア語だね」
陸「ナギ、何て書いてあるの?」
ナギ「日本語に訳しますと “ 花が枯れても種は残る ” という意味になります」
三月「どういうことだ?」
万理「…きっと、すぐに分かるよ。中に入ってる、その譜面を読み解けばね。じゃあ、俺はこれで」
環「これ…歌だ。中崎さんが作った、歌…」
大和「そうみたいだな」
陸「……綺麗だけど、悲しいメロディだ」
壮五「どうやら…桜さんに宛てられた曲みたいだね」
ナギ「……いいえ、ソウゴ。これは、ハルキへのレクイエムではありませんよ」
三月「じゃあ……あ!」
ナギ「YES. これは、ワタシに…いいえ。ハルキの死を悼む全ての者に宛てられた一曲」
大和「死者でなく、生者に向けられたメッセージ。か。はは、あいつらしいねぇ」
ナギ「うぅ…せっかく、止まった涙が…また、ワタシの視界を滲ませます」
大和「ナギ…」
陸「……ねぇ!これ、歌おう!」
ナギ「リク…」
環「おう!俺も、この曲 歌いたい!今すぐ歌いてえよ!」
ナギ「タマキ…」
三月「ほらナギ!早く涙拭けよ!じゃないとお前だけ仲間外れにされちまうぞ!」
ナギ「NO!それは、困ります。ワタシも、歌いたいです!ここにいる、7人で 歌いたいです」