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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第12章 会いたい。死ぬほど





『 退屈な 毎日。変わらない 日々に

ビルの間から 見える空。

見飽きた景色に うんざりするわ。


そんな私の世界を

貴方は簡単にひっくり返した。


まるで映画の One scene みたいじゃない?

甘い言葉で 私は 踊り出すの。

本当に こんなのは Dramatic!


運命 なんて言葉は嫌いだったはずなのに。

貴方の口から出た言葉なら

なんだって 食べてしまいたい。


走り出した2人は 止まれない。

全てがslow motion になる。

貴方も私と同じ気持ちなら…


どうせなら、もう取り返しのつかないくらい

遠いところまで私の事を 攫ってくれたら…


まるで映画の One scene みたいじゃない?

貴方の魔法で 私は 踊り出すの。

本当に こんなのは Dramatic!


あぁ…早く、早く私を

迎えに来て。連れ去ってよ 』



Lio が、口元からゆっくりマイクを離すと。観客達はやっと拍手や歓声を送った。

誰もが、置き去りにされていたのだ。圧倒的なそのパフォーマンスに。

周りの人間は動き出したのに。俺だけは、まだ追い付けないでいた。声が出ない。体が動かない。瞬きも出来ない。かろうじて息はしてる。そんな状態だった。

ただ、馬鹿みたいに もう歌い終わったLioの姿に見入っていた。


「……楽…、楽!」


隣に立っている天と龍之介が、俺の耳元で名前を呼ぶ。その声でようやくこちらへ帰って来られた。


「あ、あぁ…聞いてる」

「聞いてる。じゃないでしょ。大丈夫?」


拍手のひとつも送らないで、ただ棒立ちになる俺を気遣う天。

その後も、Lioのステージに酔いしれた。

彼女から生み出される譜列を 必死で追い。
彼女がターンをする度に 目眩を覚えた。
彼女のステージの1秒1秒を 脳に焼き付ける。

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