第96章 やることなすこと滅茶苦茶じゃん!
「四葉…でも、でもオレは、あいつの大事なもんをいっぱい傷付」
「あ゛ーーー!!」
「っな!?なんだよ!!急にデカイ声出すな!びっくりするだろ!」
「どうしよ、いすみん。俺、めっちゃ良いこと思い付いたかも」
はぁ?と顔を傾けると、環はいそいそとスマホを取り出した。そして、中崎さんに いすみんのこと知ってもらう作戦!と言いながら、左手でVサインを決めた。
話をしながらも、アイデアを考えてくれていたのか。少し、いやかなりぶっ飛んだところがあるが、環は良い奴なのかも。
それがどんな作戦なのか気になるところだ。環は、懸命に文字を打ち込んでいる。
「よし。これでオッケー!ほい送っ信!」
「で?何を思い付いたんだよ」
「ふふん。いすみん、まだ分かんねぇの?」
「やっぱお前、腹立つ」
「んじゃ、ヒントな。ずばり “ 明日!” 」
「明日?」
オレはヒントを頼りに、頭を捻る。しかしすぐに、ある事柄に思い至った。思い至ると同時に、全身から血の気が引いていく。
「ま、まさか!ちょ、スマホ貸せ!」
《 明日、俺らの学校で授業参観があるんだけど、中崎さん来れる?時間は10時40分からで、古文だって。いすみんが、どーーしても中崎さんに来て欲しいって言ってる。
俺も、久しぶりに会いたい。好き 》
「お、おま…お前、さっき、送信!って、言ってたよな。ま、まさかもう…」
「送っといた」
「ば…っ、馬鹿!!この馬鹿!何やってんだよ馬鹿じゃねぇの!?」
「ばかばか言い過ぎだから!いすみんがウジウジしてっから、俺が代わりに送ってやったんじゃん!」
「誰もウジウジなんか…っ!っつーか!なんだこのメッセ!最後の方ほぼ告白じゃねぇか!」
「たまにはいいだろ!」
「たまに告白するってどんな仲だよ!ふざけんな!あーもうどうしてくれんだよ馬鹿ーー!」
オレは明日、どんな顔をして教室にいれば良いのだろうか…