第96章 やることなすこと滅茶苦茶じゃん！

「いいなぁ…。俺も中崎さんから、あなたの事が知りたいのっ。とか、言われてぇ」

「そんな変な言い方はされてないからな？」

「俺なら絶対ブスなんか言わねぇのに。もう毎日毎日、可愛いって言う」

「そ、それはそれで嫌われそう」


何故か、うっとりと上の空になってしまった環は置いておく。
問題は、どうやって作戦を実行するかだ。まさか いきなり、オレのことを教えてやる！なんて言うわけにはいかない。


「っ、あーーもう！なんか面倒臭くなってきた！それもこれも、全部あいつの、九条のせいだ！」

「なんで、そこで てんてんが出てくんの？」

「違う！九条は九条でも、オッサンの方の九条だよ！」

「げぇ！？この話、アイツが絡んでんの？」

「あぁ」


その通りだ。九条と鉢合わせをしなければ、そもそもここまで拗れはしなかっただろう。


「あいつも、九条と知り合いだったみたいだ。オレが世界一嫌いだって言ったら、あいつは世界一苦手だって言ってた」

「ん？なぁ。それって、なんか違う？嫌いと苦手って、一緒じゃね？」

「さぁ。オレにもよく分からない」


しかし。九条に会わなければ、奴がアイドルを目指していたという過去を知ることは永遠になかったかもしれない。


「…四葉。お前、アイツと仲良いのか？」

「ちょー仲良し」

「なら知ってるよな。アイツが昔、アイドル目指してたって。なんで、アイドルになるの諦めたのかな…」


環は、何故か目を大きく見開いてオレを見る。


「な、なんだよ」

「中崎さん、いすみんに、それ話したんだって思って。
ふーん…なんか思ってたより、信用されてんだ。マジで、ŹOOĻのこと考えてんだなぁって。ちょっと、びっくりした」