第96章 やることなすこと滅茶苦茶じゃん!
【side 亥清悠】
驚いた顔をしてた。ブスって言ってしまった瞬間。
窓から外を見下げれば、運動場でドッチボールをしている同級生の姿が目に入る。良い歳をして、昼休みにドッチボールとか。呑気なものだ。オレはこんなにも、頭を悩ませているのに。
「…はぁ。なんであんな、思ってもないこと言っちまったんだろ」
「なに言っちまったって?」
「!!きゅ、急に話し掛けてくるなよ!四葉!」
「だって、いすみんが相手して欲しそうな顔してたから」
していないと否定しても、環は目の前の席に どかりと腰を下ろした。スナック菓子の袋に手を突っ込み、ガサガサとやりながらオレを睨む。
「いすみん達が了と一緒んなって、 Re:valeとかTRIGGERイジメたこと、俺知ってっから。ちゃんとごめんなさいするまで、許さないかんな」
「ふん。それはアイツらが悪いんだ。突かれるのが嫌なら、重箱の隅は綺麗にしとけってな」
「…は?いすみん、なに言ってんの?重箱?もう腹減ったのかよ」
「っ!?な、なぁ。今日、和泉は?」
「仕事で休み」
「はぁ…あいつが居ない時、四葉と話するのしんどいんだよなぁ」通訳がいないと
「へへ、まぁ頑張れよ」
「っく、腹立つ!」
それよりも。オレのことが気に入らないのなら、話し掛けてなど来なければ良いのに。相変わらず、こいつも何を考えているのかいまいち読み辛いところがある。
「ま、ŹOOĻのいすみんには腹立ってっけど。ガッコのいすみんは、べつに嫌いじゃないから。
ぼっちのクラスメイトが、寂しそうに外見て独りごと言ってたら、やっぱ、気になるじゃん?」
「四葉…。そういうの、余計なお世話って言うんだぞ。まぁでも、ちょうど暇だったから。ちょっとぐらいなら、話…してやってもいいけど」