• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第95章 《閑話》とあるトップアイドルの息抜き?




『またそんな棘のある言い方する。2人で飲んだ、でいいでしょ。意地悪 万理』

「なんだよ。だって本当のことだろ?俺が飲んだのは、せいぜいグラス2杯程度だ」

『っていうか、2人とも聞いてよ。万理、私にもう飲むなって言うんだよ?見てこれ。グラスに入ってるの、白ワインじゃないんだよ?水だよ、水。ねぇ、酷いと思わない?』

「だから、俺はお前の肝臓を心配して」

『私の肝臓のことは私に任せてくれれば良いの!』


席に着いた2人は来て早々、私と万理の言い争いを聞かされる羽目になる。
私が話せば私の方へ顔を向け、万理が話せば万理の方へ顔を向けた。百は困り顔であるが、千はいつもの冷静な顔付きである。

やがて、千の方が口を開いた。


「へぇ…。万は、彼女のこと詳しく知ってるんだ」


春人の格好をしているのに、エリとして振舞っていることに違和感を覚えたのだろうか。
そういえば、百は私と万理の過去を知っているが、千の方は何も知らないのだった。


「知ってるも何も、俺達は」

「!!
ユ、ユキ!ほら見て!シェフの気まぐれサラダだって!今日のシェフの気分はどんなだろうなぁ!?一緒に考えよ!ね!」
(ユキは2人が付き合ってたこと知らないんだー!オレ、ユキが傷付くとこ見たくないよ!お願いバンさん言わないでー!)


何故か突然、会話の急カーブを切った百。その強引さに、千だけでなく私や万理も首を傾げる。


「モモ、今日は肉じゃなくて野菜の気分なの?そんなにサラダが気になるなら、いいよ。一緒にどんなサラダが出てくるのか考えようか。
シェフは今日、あまりよくない事があったかもしれない。だから、大量のワカメが入ったサラダが出てくるよ。きっと」

『嫌なことがあったら、何でワカメ?』

「なんか、ぬるぬるしてて…色も暗いから」

「相変わらず適当な奴だな」

「優しいユキ…ス テ キ…」


シェフの今日の気分を知る為に、とりあえず気まぐれサラダは注文確定だ。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp