第94章 ほら、解決だろ
『まぁ、がっかりしなかった。と言えば嘘になります。ですが、私が勝手に期待をしていて、勝手に裏切られた気になっただけなので。貴方達に非はないです』
「へぇ。聞き分けがいいな、そういうのは悪くないぜ。
ちなみに、あんたが俺達に抱いてた期待って奴は どんなものなんだ?」
『貴方達4人は、アイドルの頂点に立ってやる。そう考えているものと思っていました』
「あんたは、何も間違っちゃいない。俺達は、近い将来なるからだ。その、トップアイドルってやつにな」
自信たっぷりで宣言した虎於。他のメンバーも、どうやら本気でそう考えているらしい。
バックミラーをちらりと確認すると、決意に満ちた瞳のトウマと目が合った。
『…レッスンもまともにせず、ステージでは小細工。アイドルを愛してもない貴方達が、トップアイドル? ふふ、お笑い種ですね』
「馬鹿にすんなよ!べつに本気を出さなくたって、オレ達ならそれぐらい簡単なんだよ!」
「ちょっと亥清さん、暴れないでください」
隣でドタバタとやる悠を、巳波が諌めた。それから、運転席にいる私に教えるように言う。
「あなたが否定したくなる気持ちも分かりますが、現実を見られてはどうでしょう?
事実、世間は私達を求め始めている。それは急増した仕事量からも明らかですよね。今まで他のアイドルを応援していた方達は、私達の名前を呼んでいるのです。
Re:valeよりも有名になります。IDOLiSH7の時よりもスピーディに。そして、TRIGGERよりもクールに。
それが、私達 ŹOOĻです」