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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第91章 相変わらずの強欲っぷりだな




「息を止めて、ほら、shhh…
クラクラしちゃうような夜を
一緒に 飲もう」


聴いているだけで、胸がすくような、美しく透き通った天の声。


「絡み付く 俺とお前
まるで何かに取り憑かれてる
絡み付く 俺とお前
舐め合うのは 傷だけじゃない」


指先の動き ひとつひとつまで、計算し尽くされたかのような楽のダンス。


「艶めいた音を 掻き集めよう
恥じらう君を 掻き抱いて
ついに 夜を手に入れる」


まるで、熱い吐息がここまで届いてしまいそう。新曲でセンターを務める龍之介の、圧倒的存在感。


————


「っ、TRIGGERさんの、新曲だ…っ」

「わぁ…天にぃ、エロい…かっこいい…」

「すげー!エロかっこいい!いいぞー!リュウ兄貴ー!」

「はは…なぁ、ミツ。18禁にした方が良くない?これ」

「こんだけのクオリティのもんに制限かけたら、18歳以下の奴が暴動起こしちまうって…」

「本当に…圧巻ですね」

「YES. まさに、TRIGGERカラーが全開です」


————


新しい曲、新しいダンスをマスターする為の時間は、山ほどあった。
だから、ここまでのものを披露出来たのだ。言ってしまえば、どこかの誰かさんのおかげである。

観客席のファン同様、私だって、彼らだけを観ていたい。私だって、TRIGGERのファンなのだから。
しかし、そうは言っていられない。
気を配れ。ステージ、照明、機材に怪しい箇所はないか。
目を配れ。客席に、怪しい人物はいないか。危険な行動を目論んでいそうな人間は?


しかし私の心配など他所に、TRIGGERは快進撃を続ける。会場を、ファンを巻き込み、最高のステージを作り上げていく。

もしかしたら、かつてないくらいの出来かもしれない。予想の斜め上をいく成果を上げながら、彼らは駆け抜けた。

そしてついに、残すところは最終ステージ。アンコールに応えるのみとなった。

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