第90章 どうしても聞いてもらいたい話
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「今週も始まりました。
“ 元気になるラジオ ” 提供は、凰塚製薬でお送り致します」
「毎週、違ったパーソナリティがお届けしてる この放送。今週は、俺達TRIGGERが担当するぜ」
「今週も楽しい回に出来るよう頑張ります!聴いてくれている皆んな、よろしくね」
ガラス張りのブースの中で、3人が軽快にラジオ番組をスタートさせた。私は現場スタッフと同じように、ガラスを隔てたこちら側から見守る。
オープニングトークを終え、番組は名物コーナーへと突入。まずはよくある、リスナーからのリクエストコーナーだ。
TRIGGERがパーソナリティを務めているとあって、彼らの曲も挙がった。曲が明けた後のトークも大いに盛り上がる。さぁ、次のコーナーは…
「次は、視聴者さんのお悩みにボク達が答える、お悩み相談コーナーです」
「どんな事で皆んな悩んでるんだろう。少しでも力になれたらいいな」
「あらかじめ、お手紙は選別させてもらっています。
せっかく龍や楽がいるからという理由で、スタッフさん達が恋愛寄りの相談内容の物を選んだらしいですよ」
「えぇっ!どうしてそんなことに…」
「おいおい。でもまぁ、望むところだ。誠心誠意答えてやる!」
「ふふ。頑張ってね2人とも」
2人に答えさせる気満々の天。恋愛相談が確定して身構える龍之介に、やる気に満ちている楽。
では早速、お便りを読ませてもらいますね。と天が、あらかじめ用意されていたハガキを手に取った。