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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第89章 年季が違うからね




「それに、俺は言ったはずだ。俺達の為に、何かを犠牲にするのはやめろ。それがたとえ、お前自身であっても許さないって。

お前、俺達の気持ち聞いてどう思った?まだ自分を捨て駒だとか言うのか?それに、こっちはまだ聞かせてもらってないぜ。お前の考えを。大事なのは、お前がどうしたいかだ。
なぁ。いい加減に、聞かせろよ。TRIGGERの為にとか、契約がどうとか、そういうんじゃなくて。お前自身の、本当の気持ちを」

『っ、分かって、いるんですか?私をツクモへ差し出さないということは、彼を敵に回すという事なんですよ。星影が陰り、今や芸能界はツクモの独壇場。そんな事務所に目を付けられて、そんな場所で、戦うなんて、どれほど無謀な事か!
… 私は、私はっ』


こちらの気も知らないで、まぁよくも好き勝手言ってくれたものである。私の気持ち?そんなのは、言うまでもなく決まっているじゃないか。
私を見つめる、6つの瞳。そこまで聞きたいのなら、言ってやる。自分勝手で、押し付けでしかない、この本心を。


『私は、それでも…貴方達と一緒にいたい。TRIGGERがトップアイドルになるのを、1番近くで、見ていたい!』

「!
ははっ。やっと聞けた。それが、俺達が欲しかった言葉だよ」


楽は、くしゃっと笑って私の髪をワシワシと掻き乱す。天と龍之介は、満足そうに顔を綻ばせていた。

あわよくば、背中を押してもらえるかと思ったのに。彼らが、私にツクモへ行くように勧めたなら、喜んでこの身を差し出す覚悟だったのに。
やっぱり彼らは、私が思ってるように動いてくれない。


「残念だったね。俺達は、君を離さない」

「ふふ。せいぜいこれからも、ボクがこき使ってあげるよ」

『…はい。これからも、私をよろしくお願いします』

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