• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第87章 こっち側は、私の領分だから




到着した、あけぼのテレビ。廊下を行くTRIGGERと私達は、案の定 好奇の目に晒された。だが4人は、誰1人として隠れたり、俯いたりはしなかった。
堂々と前を見据え、胸を張って歩く。


「なんか、懐かしいな」

「ふふ。ボクもそう思ってた」

「実は、俺も。前にも こんな事があったなって考えてた」


彼らはきっと、以前に龍之介が 悪徳週刊誌によってハメられた際の事を思い出しているのだろう。


「前は、TRIGGERが嫌われるのが怖くて。つい逃げ腰になっちゃったけど。でも、今は違う。
4人で歩いて来たこの道が、間違っていたなんて到底思えないんだ。出来る限りの努力をして、頑張って来たからこそ、今のTRIGGERがある。それを、もし誰かが汚れた手で触れようとしているのなら、絶対に許せない。
周りからどんな視線を向けられようと、罵られようと、俺は3人を信じて戦うだけだ」

「龍!よく言った!俺も同じ気持ちだぜ。
そうだ。俺達はずっと、正々堂々やってきた。探られる腹なんか、ありはしねぇんだ。
だから、今回もTRIGGERらしく ただ真っ直ぐ戦おう。その為には、下を向いたり 目を閉じたら駄目だ。ちゃんと、前を向いてねぇとな」

「…熱いね。大人2人は。
戦う戦うって勇んでるけど、まだ戦うべき敵の姿すら見えてないのに」

「う…」

「おい天、水差すようなこと言うなよ。相変わらず足並み揃えるのが下手だな お前は」


龍之介は悲しげで、楽は少し苛立っていたけれど。天は、微笑んでいた。

私には、天の今の気持ちが分かるような気がした。きっと彼は今、私と同じで…
嬉しいのだと思う。


「…熱い、とは言ったけど。でも、それを嫌だとは思ってない。
2人の今の言葉を聞いて、ボクはまた TRIGGERを好きになったよ。
こんな時に、想いが募るなんて皮肉な話かもしれないけどね」

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp