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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第85章 かっけぇわ




楽が見つけたのは、陸と一織であった。他のメンバーや紡は見当たらない。
スケジュールの都合で来られなかったか。はたまた、各メンバーが別行動を取っているのか。


「一織、そんなに不安そうな顔するなよ。緊張してるのか?
大丈夫!皆んなはどっかに行っちゃったけど、オレは隣に居るからさ」

「……」


どうやら、後者のようである。陸の台詞と、一織の苛立った表情から簡単に察する事が出来た。


「おう七瀬、久しぶりだな」

「あっ!八乙女さん、こんばんは!それに九条さんと十さんも、お久しぶりです」

「お久しぶりです」

「久しぶり!元気そうだね、陸くん」


楽、天、龍之介の3人は陸を中心にして会話を始めた。
私はそんな4人を、少し離れたところで見守る一織の肩の上に手を置いた。


『一織さん』

「中崎さん」

『胸中お察ししますよ。
会場の豪華な料理にテンションが上がって、走り出してしまいそうな四葉さん。綺麗に着飾った女性を見て、手当たり次第にガールハントを始めかねない六弥さん。
そんな2人の姿が目に届く場所にないとあっては、気が気でないしょう』

「どうして たまにしか会わないあなたには簡単に分かる事が、あの天然ふわふわブラコン男には分からないのでしょうか」

『天然でふわふわで、ブラコンだからじゃないですか?』


一織は憎々しげに呟いた。しかし、TRIGGERと楽しそうに話す陸を見る目は温かで。口では悪く言っても、本心では陸を大切に想っている事が見て取れるのであった。

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