第84章 その日が来る事を心待ちにしています
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龍之介の逞しい腕が、再び下へ伸びる。腰を少しずつ進めながら、その長い指を使い秘豆を押し潰す。
耳元にかかる、熱い吐息と。胸部と下半身に与えられる強烈な快楽。
そして、愛しい人の顔が見られないという、もどかしさ。
『っふ、う…龍、んんっ、これ以上…後ろから、されたら!あ、頭が…』
「…変に、なっちゃう?」
『んっ、うんっ、っあぁぁ!』
「なっちゃえば、いいよ」
ズバン!と、腰が一気に前へと進む。龍之介の欲棒が、腹の奥を抉った。届いてはいけない場所を、先端が刺激してくる。
私はいやいやをして、髪を振り乱し頭を左右に揺さぶった。
『〜〜あぁっ!』
「届いてるね、エリの、弱いところ」
『は、あぁうっ!こんなの、すぐっ、イっちゃ』
「ッ…いいね。じゃあ、何度でも、イッて」
さらに私の深いところへ自身を捻じ込み、抉るように穿つ。そんな龍之介の髪を、くしゃりと後ろ手で掴む。
『んあっ、あっ!うぅ…っ、龍っ!龍…』
「うん。なに?エリ」
『顔が、見たいっ』
「……良かった…、俺も」
途端に、くるりと体が反転させられる。煌々とした蛍光灯の光が、目に刺さる。思わずギュッと目を瞑り、徐々に瞼を持ち上げればそこには…
温かな微笑みを浮かべ、私を見下ろす龍之介の顔があった。私はそれが当たり前のように、手を伸ばす。
その手をしっかりと取って、自らの顔の横へ持っていく龍之介。
そして心底愛おしそうに瞳を閉じて、頬ずりをした。