第83章 う〜〜ん、むにゃ…
「皆んなが勝者になれれば良いけど。そうじゃないから。
勝者がいれば、敗者がいるんだ。当たり前の事なのに、つい目を逸らしてしまいそうになる。それを、彼が俺に再確認させてくれた。
TRIGGERを応援してくれる人達が、俺達に勝者でいて欲しいと望むなら、俺達は、勝者であり続けなければいけない。
勝つ事で、誰に、どれだけ嫌われようとも。恨まれようと、憎まれようと。
俺は、勝者でいる事をやめないよ。
その為に傷付く覚悟なら、もうとっくに…この胸にある」
あぁ。
どうして私は、彼の中の覚悟を確かめたいなどと、思ってしまったのか。
彼の中には、こんなにも確固とした意志が。覚悟があるというのに。
きっと、天や楽も、同じものを持っているに違いない。だって彼らは、一連托生の運命共同体。TRIGGERという最高のグループなのだから。
3人の中にある それは、ダイヤよりも硬く、マグマよりも熱い。私なんかがわざわざ確認しなくても、龍之介が言う通り、もうとっくに出来上がっていたのだ。
「実はね、まだあるんだ。俺なりの、覚悟。聞いてくれる?」
『…うん』
もう胸がいっぱいで、今にも熱い物が溢れて、爆発してしまいそうな私に。龍之介は言った。
なんとか、その熱い気持ちを押し込めて、私は頷く。