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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第82章 TRIGGERを独り占めだね




『はぁ、楽しかったですね。
ではそろそろ、私も水着に着替えて来ますね』

「おう、早くしろよ…。って、いま何つった?」

『ですから、着替えて来るって』

「ちょ、春人くん?」

「…なるほどね。最初から、何らかの策を用意してたんだ」


天の言う通りである。
私は、楽との勝負に勝っても負けても、着替えるつもりでいた。それだけの対策を考えていたのだった。

つまりは勝敗に関係なく、私の行き着く場所は勝ち確定。


「…じゃあ あんたは負けたとしても、失う物は何もなかったんだな」

『はい。私、勝てる勝負しかしないんで』


事実を突き付けられて、項垂れる楽の隣を通り抜ける。そして、心配顔の龍之介に小声で語り掛けた。


『ちょっと準備に時間がかかるんで、楽が小屋に近付かないよう見ていて下さいね』

「うん、分かったけど…本当に大丈夫?」


私はにっこりと、不安そうな龍之介に微笑みを返した。



さて、それでは準備を始めよう。
まずは、いつもよりも念入りに胸を潰す。息苦しさは増すが、我慢する他ない。
そして、腰のくびれには特別製のコルセットを巻き付ける。こうする事で、女性的な体のラインを消す事が出来る。
その上から、ウェットスーツを着込む。これで、腕や足の毛がなくてツルツルでも怪しませない。

念には念を入れて、薄手のウィンドパーカーを羽織れば…完成である。
相変わらず、厚底サンダルは必須なので動きにくいったらないが、もう激しい運動をする事もないと思うので問題はないだろう。

私は生き勇んで、皆が待つ海辺へと戻るのだった。

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