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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第81章 子供じゃないんだ、分かるだろ




—— 天と沖縄の海 ——


さきほどの荒れた海とは打って変わって、ここはなんとも穏やかだ。

今回は、ビーチエントリーではなくボートエントリー。ボートで沖合に出てから海に入る。その為、辺りには青い海が広がるばかり。まるで、この広い海を貸し切りにしているような贅沢さがある。


「じゃあ行ってくるね。皆んなにも、沖縄の綺麗な海中を見てもらえるように頑張ってみるから。応援していて?」


天はカメラに甘く微笑むと、機材を装着してカメラマンとガイドと共に海の中へ消えた。

海中の様子は、船の上のモニターで確認出来る。私と楽と龍之介は肩を寄せ合い、カメラを通した映像に齧り付く。

画面いっぱいに広がった、青。海は透明度が高く、サンゴや魚がたくさん確認出来た。
沖縄の海も、勿論 綺麗なのだが…


『天が美しい海を優雅に揺蕩う姿は、まるで空を舞う天使のようですね』

「機材背負ってんのにな」

「あはは。大きな機材も、天の前ではハンデにならないね」


天はガイドに促され、用意していた餌を両手の平に乗せる。すると、あちらこちらから魚達が集まってくる。沖縄の魚らしい、オレンジや青や黄色が美しい。

ひとしきり魚と戯れた天。
あっと何かに気付いたような表情を見せる。カメラに向かって手をちょいちょいとして合図し、海の向こうを指差した。
すぐにカメラは、そちらの方に向けられる。するとそこには、ウミガメの親子が悠々と海を泳いでいた。

次第に親子は、なんと天の方に近付いて来た。まるで、一緒に泳ごうと彼を誘っているようだ。
ゆっくりとした速度で、天とウミガメは しばらく海の散歩を共に楽しんだのであった。


「ウミガメの親子、可愛かったね」

「うん!俺達も、カメラで一緒に見てたよ」

「ウミガメと一緒に泳げるなんざ、貴重な体験だよな」

「海もすごく綺麗だったし、ボクは大満足。皆んなも、一緒に楽しんでくれていたら嬉しいな」


ファンの皆んなは、きっと沖縄の海も 優雅な姿の天も、存分に楽しんでくれたことだろう。


「残すところは、楽だけだね。ふふ、どんなスポーツに挑戦するのか、楽しみ」

「おう。実は、俺だけ何をやるのか聞かされてないんだよな。でもまぁ、何が来たって 全力でやってやる!」

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