第81章 子供じゃないんだ、分かるだろ
水着にウインドブレーカー姿のメンバーが、海をバックに並び立つ。カメラが回ると、にこやかな笑顔の天が いつもの調子で口火を切る。
「さぁ、今週も始まりました」
「「「TRIGGERといっしょ」」」
「先週 告知させてもらった通り、今回はここ!沖縄の海からお送りするぜ!」
「今回、皆んなが選んでくれたお題は “ 沖縄の海でサマースポーツしているTRIGGERを見たい ” でした」
「皆んな!このお題に投票してくれてありがとう!おかげで故郷の海に来る事が出来て、すごく嬉しいよ」
「俺の中で、沖縄といえば龍のイメージがあるんだよな。お前には海がよく似合うから」
「そうかな、ありがとう楽!」
「そういうわけで、今日はボク達が色々なサマースポーツに挑戦します。
忙しくてなかなか海に来られないっていう人達にも、テレビを通じて綺麗な沖縄をお届けしたいな。
では早速、最初のスポーツにいってみましょう」
天が綺麗にまとめた後、カメラが一度止まる。番組プロデューサーが龍之介に歩み寄り、台本を開いてみせた。
「じゃあ打ち合わせ通り、まずは龍之介くんのサーフィンから撮影ね。移動してから、準備お願いします」
「分かりました!良い波が来てるといいなぁ」
「下見に行ってるスタッフによると、かなり良いコンディションらしいよ!」
「本当ですか?あっはは、楽しみだ!」
大好きなサーフィンが仕事で出来てしまうとあって、龍之介のテンションはいつもよりも高い。
東京生まれ、東京育ちの天や楽とは違って、龍之介が故郷に帰って来れる機会はそうない。それこそ、仕事でもないと家族に会う事さえままならないのだ。
龍之介のこの晴れやかな笑顔を見ていると、今回のお題を選んでくれたファンに、感謝の念を覚えるのだった。