• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第78章 私…彼氏が出来た




「あぁ、そう。寂しいじゃねぇか」


そう愚痴ってはみたが、龍之介に何か只ならぬ事情があるのは伝わってきた。
俺の事が信用出来ないから彼女を紹介しないとか。そういう類の事情ではないのだろう。


「楽」

「おう」

「俺は今日、この質問をしたかったから楽に来てもらったんだ。
訊いても、いいか」

「よし。なんでも来い」


龍之介は、顔だけでなく体ごとこちらへ向けた。すごい気迫だった。俺もそれに応える為、体を向かい合わせにする。そして、胸を拳でドンと叩いた。


「俺がもし、君と同じ女性を好きになったらどうする?」

「は?」


予想の斜め上から質問が降って来た。
とは言え、返答に時間など必要ない。答えなんて、考えるまでもなく決まっているから。


「どうもしないけど」

「え…どうもしない って…
で、でも!嫌な気持ちになったり、悲しくなったり腹が立ったりはするだろう?」

「お前なぁ…」


俺は、今日 何度目かもしれない溜め息を吐いた。龍之介は、俺の事をそんなに小さい男だと思っていたのか。心外も甚だしい。


「まぁ、あえて言うなら…
遠慮したら、ぶん殴るからな」

「えぇ…」

「大体、Lio はめちゃくちゃイイ女だ。お前が惚れたって何の不思議もねぇよ。
それにな。龍がどんな女を想っていようが、誰に惚れてようが、お前が俺の仲間で、大切な奴だって事実は揺らぎようがねぇだろ」


龍之介は目を見開いて、俺を見つめた。


「なんだよ、その顔…
まさかとは思うが…そんくらいで、TRIGGERがバラバラになるとか考えてたんじゃねぇよな」

「え…っと、ちょっと、考えてた かも」

「……はぁ」


俺はまた、溜息の数を重ねた。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp