第77章 ぃやーぬくとぅ かなさいびーん!!
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『天には、私達のことを話そう』
エリは、力強く頷いて語る。
その考えに至るとは、意外だった。当然の如く、誰しもに秘密にしようと言うと思っていたから。
『っていうか正直に言って、天には隠し通せる自信がない』
「うん、それには同感。俺なんて、多分1日で気付かれちゃうよ。きっと」
『それなら、最初から話してしまった方がいい。天に話す代わりに、楽や社長には絶対に隠し通さないと。TRIGGERが、崩壊しかねないからね。それだけは、絶対に避けないといけない。
もし知られたくない人にバレそうになった時。天がこちら側の事情を知ってくれていたら、心強いと思わない?』
「たしかに。強力な味方になってくれそう」
エリは、こくんと頷いた。
『どちらにせよ、天には特に迷惑かけちゃう事になるけどね…』
「…そうかも。でも、天ならきっと分かってくれるよ」
『まぁ社内恋愛なんて周りからしてみれば、百害あって一利なしだし…。ごめん!って、割り切って迷惑かけるしかないよね』
「う…。なんかそう言われちゃうと、改めて いけない事をしてる気分になるなぁ」
『ふふふ。いけない事をしてるのは私の方だよ。私はね、アイドルに手を出しちゃった、手癖の悪い悪徳プロデューサー。幼気な龍之介君を食べちゃうぞー』
「あはは!エリ 面白い。そっか、手を出されたのは俺の方なのか」