• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第10章 脳みそ溶けるかと思ったぐらいなんだから!




「ねぇねぇユキ。結局エリちゃん、言いたい事何も言えなかったっぽくない?」

「このタイミングで、エリちゃんが話したい事といえば…多分 龍之介くんの記事の件だと思うけど。焦らなくても、きっと後で教えてくれるよ。
さっきは天くんが隣にいたからね」

「そうそれなんだって!なんだって天はわざわざエリちゃんについて来ちゃったと思う!?
それにさっきの あの態度…!オレがエリちゃんの話したら、いやいや自分の方がエリちゃんの事知ってますけどぉ?!みたいな感じで張り合って来たんだよね」

「きっと天くんも 僕達みたいにエリちゃんの事が大好きなんだろうね。可愛いじゃない」

「えぇ!?でも天は、エリちゃんの事を男だと思ってるんでしょ?」

「そうね。でも多分、もっと深いところ…本能的な部分では惹かれてるんだと思うよ。TRIGGERの中では、彼が一番早く気が付くだろうね…。春人という男が、本当は女の子だってこと」

「えーー!もし気付いちゃったら、どうなるのかな…?」

「ふふ。さぁ…そこまでは、さすがに僕にも分からない かな」



————


「今日の千さんの冗談は、いつもよりも強烈だった…」


エレベーターの中、順に点滅していく数字を見て 天は言った。


『…ええ。まったく、あの人は何を考えているのか』


本人も言っていた通り、私の反応を見て楽しんでいるのだ。そんな事をして何が楽しいのか全く分からない。ただのドSか。


「…キミは、もうRe:valeの2人には会わない方が良いんじゃない?」

『何故ですか?私があの2人に からかわれても、九条さんにさして火の粉は飛ばないですよね』


むしろRe:valeと私が懇意にする事は TRIGGERにとってはプラス面の方が大きいのでは?


「うるさいな。見ていて気分が良くないんだから仕方ないでしょ」


それは、どうしてだろう。私は一生懸命に脳を働かせて、天を理解しようとしてみるが。腑に落ちる答えは見つからない。


『どうして九条さんが、そんな気持ちに?』


ゴウンゴウンと、エレベーターが降下する音だけが2人を包む。


「………さぁ。なんで?」


天は不機嫌そうに首を傾げた。

いや 聞き返されても。私の方が質問しているのだが…。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp