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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第75章 俺に、思い出をくれないか




翌日。


これからTRIGGER3人を自宅まで送る。駐車場へと行く為、ロビーを通りがかった。

今日は受付に、いつもの確認はしていない。だが 得てしてこういう油断をした時にこそ、ピンチはやってくるものだ。


「どうも。こんばんは」

『………』

「あれ。大神さんじゃないですか。こんばんは。こんなとこで、何してるんですか?」


固まる私の代わりに、楽が前へと出てくれた。私はすかさず、一歩二歩と退避する。

万理は よそ行きの笑顔をにっこにこと浮かべながら、楽と会話を始めた。


「はは。八乙女楽くんは、話で聞いていたより 愛想が良いんですね。ありがたいです」

「そうですか?」

「そうですよ。どこかの誰かさんは、俺の顔を見るのも嫌みたいですけど… ね」

『う…』


目には見えない、万理の攻撃。それを受け、私はさらに一歩 後ずさった。

彼は私から楽へと、再び視線を移す。そして、相変わらずの笑顔で楽に握手を求めた。

初対面でもないのに 手を差し出された楽は、首を傾げながらも握手を受け入れる。


『……っ』
(万理はなんで握手を?意味が分からない…分からないから、怖いっ)


ドキドキしながら行方を見守る私のところへ、静かに天がやってくる。さらに龍之介もそれに続いた。


「…ねぇ」

『はい…』

「彼、キミの元彼でしょ」

『「えぇ!?」』


私と龍之介がシンクロする。

私は、どうして天がそれを知り得ているのか。
龍之介は、元彼というワードに驚いた。

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