第74章 高校生の時の、俺の彼女
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今日は、TRIGGER 3人揃ってのお仕事だ。ある番組に呼んでもらったので、テレビ局に赴いている。
その番組とは、環と壮五の冠番組。MEZZO"のMOTTO"君を連れて逃げちゃい隊 である。
この番組は、MEZZO"の2人が街へ繰り出し、話題の店を巡ってワチャワチャする。という内容だ。しかし今回は、ゲストにTRIGGERを迎えるということで、スタジオでの収録と相成った。
屋内収録ではあるが、ただお喋りをするという内容ではない。
今日の為に、とある企画が持ち上がったのだ。
それは、人気ブランドを背負う仕立て屋とのコラボ企画。彼ら5人が、新発売のオーダーメイドスーツを身に纏い、販促するというもの。
3人は、たった今 衣装合わせを終えたところである。そして、その足でMEZZO"の楽屋に挨拶へ向かう運びとなった。
そういうわけで、私達は4人で局の廊下を歩いている。
「スーツって、俺達はなかなか着る機会がないけど やっぱり気が引き締まるよね」
「あぁ。衣装とはまた違った色気が出るよな」
「スーツを着て色気が出るなら、プロデューサーは常に色気がむんむんって事になるね」
『恐縮です』
「素直に受け入れるなよ!」
なんとも気の抜けた、いつも通りの会話。
この時の私は、まだ知らない。
運命の悪戯とでも言うべき、dramaticな再会劇が待ち受けていることなど。
それは、喜劇か。
はたまた悲劇か。
もしくは… 私達に似合いの
歌劇か。