• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第73章 《閑話》とある社長の気まぐれ




「ぎゃー!エリちゃんになってる!!久しぶりに見れて嬉しい!もう超絶 可愛い可愛」

「うるさい!」

『あの…本当に、この姿で社長のお側にいても良いのでしょうか』

「構わんと言ったはずだ」


社長は短く答えると、足早に歩き出してしまう。その背中を私と百も追い掛ける。


「いいなぁーオレもエリちゃんに “ お側にいても良いですか? ” とか言われた〜いっ!」

『あはは。じゃあ百も社長になってよ』

「お!いいですな、いずれはユキと何か会社立ち上げてみるのも。
ねぇねぇ、ちょっと試しに呼んでみてよ」

『社長』

「最高!もう1回!今度はちょっとエロく!」

『……社長』

「イイ!良すぎ!決めた!オレ、絶対いつか社長に」

「やかましいと言っているだろう!!」


ついに社長の雷が落ちてしまった。彼はこめかみを押さえながら、まるで子供の引率をしている気分だ。と吐き捨てる。


「あはは!ごめんってパパさん!ほら、機嫌直して隣のレストランでご飯食べようよ」

「お前は帰れ。私達は、他を予約してある」

『え』

「えー、オレだけ仲間外れ?」

「元々呼んでいないからな」

『いや、そんな…わざわざ他を予約して下さっているんですか?私なら、そこのレストランの軽食などで大丈夫ですが…』

「なんだ。姉鷺から、お前は肉が好きだと聞いたから予約したんだがな。鉄板焼きは嫌いか」

「………」
(おやおや…?なるほど、そういう事か〜)

『いえ、とても好きですけど、でも』


私がかぶりを振った ちょうどそのタイミングで、社長の携帯電話が鳴る。
彼は、ポケットからそれを取り出し画面を眺めた。そして、ぱっと顔を上げ百に言う。


「百!私がここへ戻る前に、お前は帰っていろ。分かったな!」


そして社長は、通話を開始して この場を去った。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp