• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第71章 ピュイっ!




「お前な!びっくりするだろ!本当にこの吹雪の中、外にいると思っちまったじゃねぇか!」

『リアリティがあったでしょう?愛しのプロデューサーが凍死するかもドッキリ。ドキドキしました?』

「洒落になってない」


楽だけでなく、天もお怒りのようだ…。ほっぺたを、ぎっとつねられてしまう。


『い、いひゃいです…すみませんでした。
でも、皆さんのリアクションは素晴らしかったですよ。特に龍の、切羽詰まった感じの台詞が素晴らしかった』

「で?キミを満足させるリアクションをした、その龍はどこにいるの?」

「ん?そういえば、さっきから龍の姿がねぇな…」


私達は、揃って辺りをキョロキョロと見回した。しかし、いくら確認してもそこに龍之介の姿はない。
辺りを包んだ不穏な雰囲気を振り払うように、私は努めて明るく言葉を発する。


『…またまた!ドッキリ返しですか?その手には乗りませんよ』

「龍の靴と、ガウンがないけど…」

「まさかあいつ…!外に」

『う、嘘ですよね』


不穏な雰囲気は、はっきりとした緊張に変わる。


『と、とりあえず、龍に電話を』

「もう携帯にかけてます!
でも、呼び出し音すら鳴らないんっすよ!!」


私の背中に嫌な汗が つぅと流れる。


『…もしかすると、極限まで携帯が冷えてるから電源が落ちているのかもしれません』

「ってことは、やっぱり あいつ…!」

「いま、外にいる…ってこと?」


想像出来うる中でも最悪のケースが、いま 現実のものとなろうとしていた。

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp