第70章 自分の気持ちを言葉にするの苦手なんだもん
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促されるまま椅子に腰を下ろした大和。私はすぐさま、彼の前で膝立ちになる。
これから自分が何をされるのか、ようやく理解した様子の大和。なんとも複雑そうな表情を浮かべた。
「え…そ、そういう展開?いいの?」
『いいの。だって、やっぱりここじゃ最後まで出来ないもん。だから、私が大和を気持ち良くする』
「うわ…ちょっと今の、もっかい言ってくれる?録音するから」
『馬鹿』
上目遣いで大和を睨み上げてから、ベルトに手を掛けた。
それからズボンのチャックを下げれば、すっかり臨戦態勢の陰茎が飛び出して来た。
茂みの中のそれを、優しく両手で支える。
大和は、私の頭にふわりと手を置いた。
「無理、すんなよ」
『平気。全然、嫌だなんて思わない』
あまり人様に自慢出来る事ではないが、こういう奉仕はそれなりに得意だ。
TRIGGERのプロデューサーに就任してからは、とんと使う事はなくなったが。
男を喜ばせる手練手管は、衰えていないはず。
かつては、自分にとって利得がないと使わなかった この手段。それを、ただ相手を喜ばせたいという思いから使う事になるなんて。
どこか不思議で、なんだか嬉しかった。
「あー…もうなんていうか…
この眺めだけで、お兄さんイッちゃいそ」
『試してみる?』
「すみませんでした。出来る事なら気持ち良くなりたいです」
『はは。いいよ、大丈夫。そのつもりだから』
私は唇を湿らせると、充血したそこにキスを落とした。