第66章 しちゃうか〜結婚!
「もしもし、十です。お疲れ様です。
あっ、はい!大丈夫ですよ」
通話する彼と、この距離だ。盗み聞くつもりは毛頭ないが、聞こえないようにするのは不可能というもの。
私は運転に集中しながらも、なんともなしに会話を耳に入れていた。
「そうですね。3日後が楽しみです!
あ、そうだ。参加者のリスト、遅くなってすみませんでした。今日の午前中に送らせてもらったんですけど、見てもらえました?」
龍之介の声のトーンや口調からして、電話の相手は気心の知れた人物なのだろう。
それに3日後とは…。久し振りのオフに、龍之介はどこかへ出向く予定なのだろうか。さすがに休息に使うものだろうと思っていたのだが。まぁ、休日の使い方など人それぞれだ。
「そうですね…俺の方で参加が確認出来たのは、リストにある9人です。
はい!いつもすみません、よろしくお願いします」
その後すぐ、龍之介は 失礼しますと言ってから通話を終了した。そして私に向け、ごめんね と告げた。
『分かりました。百さんでしょう。電話の相手』
「凄い、正解だよ!」
『やった』
まぁ だからと言って、特別なにかがあるわけではないのだが。正解だと言われると、少し嬉しかった。
「次のオフ、百さん達とフットサルをやるんだよ。運動部の皆んなで!」
『元気ですねぇ。運動部…』
「IDOLiSH7の三月くんも運動部だよ」
『年末のこの忙しい時期に、人が集まるものなんですね』
「忙しい時期だからこそ、皆んな息抜きしたくなるんじゃないかな。
3日後のフットサルも、結構 人集まったんだよね」
えっとね…と、百と共有しているらしい参加者リストに視線を落とす龍之介。
どうやら、私にどんな人達が参加するのか教えてくれようとしているみたいだ。
何気無く…本当に何気無く、私はその参加者リストやらをチラ見する。
次の瞬間。私の視線は携帯画面に釘付けとなる。