第65章 月みたいな人
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私達の接合部からは、ぬるついた液体が溢れ出していて。ぶつかる度に、ぱちゅぱちゅといやらしい音が立った。
時折、奥の深い部分目掛けて、天は自らの腰を強く打ち付ける。すると敏感な部分に先端が届いてしまい、強い快感に身体が震えた。
天は、そんな私の背中に両腕を回して ぎゅっと抱き締めてくれる。
徐々に腰の律動が早まるのと同時に、彼の息遣いも変わってくる。
「っん……ふ、…はぁ…っ」
『…天っ、てん…っ!』
キスが欲しくて名前を呼べば、何故か察して口付けをくれた。なるべく相手の奥の奥に行きたくて、私達は無茶苦茶に舌を動かす。
息の続くギリギリまで、そんな深いキスをして。やっと唇が離れると、天が呻くように告げる。
「エリ…っ、ごめん、もう…限界」
『私も、私もっ、もう駄目っ…あぁっ、天、一緒にっ』
「うん…、エリ…っ」
名を呼んだ後、彼はより早く腰を押し引きした。今までセーブしていた分を、ぶつけるように。私の乳房を両手で刺激しながら、激しく腰を振る。
一気に根元まで抜き、一気に深くまで挿入する。それを何往復も繰り返す。
ベットがギシギシと軋む音も、私達の荒い息遣いで掻き消された。
「っ、エリっ」
『って、んっ!天!あっっ、も、イクっ』
私が一際大きな嬌声を上げたのと同時、天は自身をずるりと引き抜いた。そして、それを私と自分の腹で挟んで腰を緩く動かす。
「っ、〜〜〜っく!」
私と天に挟まれた陰茎は、ビクンビクンと弾けるように白い精を放つ。大きく跳ねる感覚と共に、熱い飛沫を全て 数回に分け出し切るのだった。
「………!!」
『…天?』
2人、ぎゅっと固く抱き締め合ったのも束の間。急に、天は私に背を向けてしまう。
私は訳がわからず、とにかく名を呼び、ベットの端に腰掛けた彼の顔を覗き込む。
『……天…。
どうして…泣いてるの?』