第65章 月みたいな人
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「エリ、好きだよ。愛してる」
ふわりと微笑まれ、愛を囁かれた瞬間。一気に腰が押し進められた。いっぺんに天のものが埋まり、腹の中が苦しくなる。堪らず悲鳴みたいな声が口を突いて出た。
しかし。その苦しさも一瞬のことで、全てが快感に変わる。
『あっ、んっっ、天っ、ひっあ!!』
「っ、…締め付け、過ぎ…!は、」
ゆるゆると腰を前後させる天。彼は目をギュっと瞑って、押し寄せる快感に耐えているようだった。
眉の間には深い皺が刻まれていて、口は薄く開いており、唇は濡れている。
いつものクールな天からは、想像も出来ない多淫な表情。
ファンに天使のような微笑みで応える天も、ステージで華麗にステップを踏む天も、ここにはいない。
私の上にいるのは…いやらしく腰を振る、色に濡れた男。そのギャップが、不思議なくらい私を興奮させた。
「は…っ、ねぇ、エリ、ここ…好き?」
『っっん、す、き、好きっ!ひぁっ』
「だよね…ここ、擦ると中がうねる。
はぁ…っ、可愛い」
天は、先ほど見つけたという私の弱点を、ゴリゴリと擦り上げる。
彼が腰を前後する度、シーツにまで滴っている愛液が、天の肉棒全体にぬるぬると絡み付いていく。
そこまで早い律動ではないのだが、天は 1突きする度に熱い息を吐いた。そして、繋いだ両手に ぎゅっと力が込められる。