第63章 彼氏でしょ
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撮影が開始され、数日が経過していた。
今回のドラマは、全3話。合計3時間で完結する構成となっている。現段階で、もう既に1/3は撮り終えていた。
出来栄えは上々。天は勿論のこと、他のキャスティングも見事に役にハマり、監督はご満悦だった。そうなれば、現場の空気も和やかになるというもの。皆が一丸となり、ドラマの成功に尽力していた。
「それでは、本日のゲスト!TRIGGERの九条 天さんから、素敵なお知らせです!」
「来年放送のドラマ “ 愛してると言ってくれ ” を、現在 撮影中です。ドキドキ感満載の、甘い恋愛ものとなっています。皆様に楽しんでもらえるようなドラマになるよう頑張っているので、ぜひ見てもらえると嬉しいです。
放送日時は…」
当然、番宣活動にも余念がない。撮影の合間を縫って、様々な番組に出演していた。
「わぁ!それは楽しみです!いつもとは少し違った、九条さんが見られるという事で、話題になってますよね。
続いて、Re:valeの千さんからもお知らせがあるみたいですよ!」
「どうも。僕からは、主演映画のお知らせだよ。
お馴染み刑事ドラマ “ Mission ” が、映画化して絶賛放映中です。IDOLiSH7の二階堂大和くんも出演しているんだ。
皆んな、ぜひ映画館に足を運んで 楽しんでね」
「そちらの映画は、既に満員御礼の大好評らしいですね!私も、絶対に映画館へ観に行こうと思ってます!
合わせて、映画主題歌にもなっていますRe:valeさんが歌う “ NO DOUBT ” も とても良い曲でオススメです」
「ふふ。僕の代わりに宣伝ありがとう」
「念の為に言っておきますが、本心ですよ?
それでは、本日はこの辺りで。皆様、良い一日をお過ごし下さいね。いってらっしゃーい!」
番組が締まる。あちらこちらから、お疲れ様でした 等の労いの言葉が飛び交った。
共演者と談話中の千。私と天は、彼の隣をすり抜け 楽屋へと戻るのだった。