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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第62章 俺は君にとって、ただの都合の良い男だったのか!




女の子のスタッフ達の中心にいたエリが、こちらを振り返る。その首物にあったネクタイのカラーは…

黄色だった。


「「「黄色!?」」」

『??
おはようございます』


俺達は、どっと事務所へ雪崩れ込む。すると、彼女と向き合っていたスタッフ達の顔が、一斉にこちらへ向けられた。


「あっ、TRIGGERの皆さん!おはようございます」

「あぁ、はよ。
…っつーか、おい春人!あんた、そのネクタイどうした!誰も黄色のネクタイなんかやってねぇだろ!」


朝の挨拶もそこそこに、楽が早速 声を張り上げる。

俺と天の言いたい事を、見事に代弁してくれた。そんな彼の一歩後ろで、俺達は こくこくと首を縦に動かす。
すると、さらに後ろに待機していた姉鷺が、エリの前へ躍り出る。両手の平をぴったりとくっつけ、表情は悦楽に浸っていた。


「あらぁ!よく似合ってるじゃない♡やっぱりアタシの見立てに、間違いはなかったわね!」

『そうですか?ありがとうございます。自分ではなかなか選ばない色なので、こういうプレゼントは嬉しいですよね。
でも、姉鷺さんが黄色をチョイスするというのも意外ですよね。黄色、好きなんですか?』

「ま、まぁ…好きと言えば好きだし、嫌いと言えば好きよ!」

『はぁ…』


姉鷺の要領を得ない説明に、首を傾げるエリ。少し離れた場所では、楽が両膝を地に突いていた。そんな悲壮感漂う彼の背中に、天が優しく手を添えた。


「っ俺達は…姉鷺に、負けたのか…!」

「楽…認めよう。ボク達は、姉鷺さん以下なんだ」


俺は堪らず、屈んだ2人を一緒に抱き締める。


「大丈夫だ!たとえ今は、姉鷺さんの方が春人くんの事を理解しているんだとしても…
これから頑張ればいい!これからも春人くんは、TRIGGERのプロデューサーとして、俺達の側にいてくれるんだから…!」

「!!
あぁ…そうだな」

「龍…。うん、その通りだよね」


誰が言っていたんだったっけ…。たしかその人は、こう言っていた。

“ TRIGGERには、ボケしかいない ”
と。




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