第62章 俺は君にとって、ただの都合の良い男だったのか!
『大好きなゲームと、貴方達のコラボでテンションが上がって…気が付いたら、こんな額に』
「頼むからギャンブルとかするなよ春人。気付いたら消費者金融で金借りてるタイプだ、お前」
「春人くん…可哀想に。よっぽどRe:valeさんのカードが欲しかったんだね」
「まさかこんなにも身近に、重課金兵がいるなんて…」
俺達の隣で、ガックリと肩を落とすエリ。そして、もう諦めます。と、呟いた。
そんな意気消沈する彼女を元気付けるように、ガっと肩に手を置いたのは百だ。
「春人ちゃん!諦めるのはまだ早い!まだオレのターンが残ってますぞ!!」
『……百さん』
「モモ。僕の不甲斐ない人差し指の分も頑張って」
「任せてダーリン!」
百は、エリから携帯を借り受ける。彼女曰く、石はあと10連分で最後らしい。本当の、なけなしの、ラストの、命の結晶だとエリは告げた。
彼は頷くと、ゆっくりと瞳を閉じる。それから、はぁぁぁっ と人差し指に気合を込める。その凄まじい気迫といったら、まるでバトル漫画の主人公のようだ。
彼の人差し指が、光り輝く幻覚さえ見える!そして勢いをそのまままに、ついにエリの携帯をタップする。
誰もが確信し、ごくりと喉を鳴らした。
これは……何かが起こると!
「おりゃあぁあー!!」
「っ、どう?春人ちゃん!」
『……こ、これは…!
ま、稀に見るゴミです!!』
「ノーーーー!!」