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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第60章 面倒な男に惚れられたと思って、諦めてくれ




先程から気になっていたのだが、明日から開始されるイベントとは 一体どんなものなのだろうか。
そんな疑問は、タワー内に一歩足を踏み入れた瞬間に解決される。


『っ、イベントって…
Wonder Wonder Land とのコラボだったんですか!!』

「そういや、エリが前に好きだって言ってたゲームだったか?これ」


そう言って楽は、壁一面に貼られた特大ポスターを指差して言った。
目を惹くのは、ポスターだけではない。ところどころに置かれた、キャラクター達のぬいぐるみ。可愛らしくデフォルメされたステッカーが、私達を出迎えてくれた。


『チェック不足だった…!まさかこんな、神コラボが近場で開催されていたなんてっ!』

「女性はお好きな方が多いみたいですね。まぁ私には、何のこっちゃか分からんのですが」

「はは。まぁでも、良かったな。あんたが嬉しいんだったら、俺も嬉しい」


あまり、甘い言葉を使わないで欲しい。せっかく私が機転を効かせて、マネージャーという設定にしたというのに。
そんな優しい視線でこちらを見て、そんな甘い声をして語り掛けたら…楽の秘めた想いに、男も気が付いてしまうではないか。

私達は、エレベーターに乗り込んだ。足元に違和感を覚え、視線を落とす。するとエレベーター内 一面に、魔法の絨毯を模した敷物が置かれていた。
天井を見上げると、そこには この絨毯を操れるキャラクターが描かれているではないか。気合の入ったコラボに、ファンとしては胸が熱くなる。


しかし。私にとっての試練が始まる。
そう。これから私は、挑まねばならないのだ。

苦手で仕方がない、高所へと。

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