• テキストサイズ

引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第59章 凄く綺麗ですね!




陸が、綺麗ですねと言った瞬間。言い争っていた楽とナギの顔が、勢い良くこちらを向く。


「七瀬、実はお前までそんなキャラだったのか!」

「OH!リクもなかなかやりますね!」

「え、えぇっ!?」


と、とにかく。未だ何の要領も得ていない陸に、なんとかヒントを出さなければ。伝えるのだ。私の全身全霊の力で。陸に。
どうか、私が春人である事は黙っていてくれ!と。


『ご、ご挨拶が遅れて すみません。私は、中崎といいます。どうも “ はじめまして ” 』


頼む!気付いてくれ。私達は、いま初めて会ったのだ!
何だかんだ言っても、陸は天の弟だ。きっと、空気を読む力も兄弟で分け合っているばす。


「えー!どうして、はじめまして なんて寂しい事言うんですか!オレの事、忘れちゃった訳じゃないですよね?!この間だって、お泊りに来てくれたばかりなのに!」

「はぁ!?」
「WHAT'S!?」


あぁ…終わったなぁ。
どうやら天は、陸の分も全部持って行ってしまったらしい。空気を読むという、大切な能力を。

一気に血の気が引いて、足元がふらついた。しかし倒れている場合ではない。早く、次の手を打たなければ。


「お、おい…お泊りって…な、なんだよ。はは、なんかの冗談…だよな?」

「リク!ワタシが寮にいない間に何があったのです!?そもそもワタシには寮を留守にした記憶もありませーん!!」

「お、落ち着いてよナギ!ナギだって、ちゃんといただろ!

それよりオレ、中崎さんには ずっと謝りたくて…せっかくお泊りに来てくれたのに、オレ1人ですぐに寝ちゃったでしょ?全然 おもてなし出来なくて、すみませんでした!
本当はオレも もっと、色んな事して 遊びたかったのに…」

「っ、遊び…っ!」

「色んな事…OH…。リクが大人の階段を登っていく背中が、この目に浮かぶようですね…」

/ 2933ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp