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引き金をひいたのは【アイナナ夢】

第59章 凄く綺麗ですね!




チケットは無事に2枚手に入った。しかし放映までには、あと少し時間がある。
上映室内は暗いので、楽の存在に気付く者はいないと思うが。念の為、上映ギリギリに、1番後ろの席に着く事にした。

私達は、並んで売店のメニューを見上げていた。ポップコーンやジュースなどの購入はどうするか、という相談中だ。

そこへ、馴染みのある声が聞こえて来た。


「わぁっ、ねぇねぇ!オレ、ポップコーン食べたい!」

「YES!むしろ、ポップコーンは強制ですよ?リクには、まじかる★えりりんの映画限定カップ コンプリートの為に、お腹がハジけるまで食べてもらいます」

「あははっ!ポップコーンだけにね!ナギうまい!」


眼鏡と帽子で変装していても、瞬時に分かった。私達と同様に売店を見つめているのは、七瀬陸と六弥ナギだ。
楽も、2人の存在に気が付いた模様。しかし、こちらから声を掛けてる事はしなかった。そっと私の手を引いて、この場から距離を取ろうとする。
しかし…


「あっ、ねぇナギ!あそこにいるのって、八乙女さんじゃない?」

「OH!良いところで出会いました。彼にもポップコーン大量消費を手伝ってもらうといたしましょう。なにせコラボカップの対象は、Lサイズのみ。ワタシ達2人でコンプリートするには、1日では厳しいと思っていたところです」

「飛んで火に入る夏の虫?だね!」

「リク。その日本語をここで使うのは、本当に正しいですか?」

「……駄目だ。見つかった」


楽は移動を諦め、2人へ向き直った。


「よお。お前らも映画か?」


楽は私の腰に手を回して、ぐっと自分の方へ引き寄せた。この突然の彼女扱いに、動揺を隠せず まごついてしまう。
陸とナギは、そんな私を じぃぃーっと見ていた。あまりに無遠慮なその視線に、さらに気不味さを感じる。

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